カシワニキットを活用した重複障害のある生徒への自立活動の実践

実践年度

2021年度

学校の種類

特別支援学校

対象の子ども

中学生

対象の子どもが在籍している学級・学校の障害の種類

知的障害

実践において対象とした子どもの困難さ

動くこと

内容

身体に麻痺があり、手指の細かい操作が難しい。また衝動性が強く、目の前のものを強く握って引き寄せ、口に入れてしまう生徒である。 そこで、ねらった場所を注視・触らせることを通して、手指の巧緻性を高めるために、次の活動を試みた。 iPadの操作で実物を動かすための「カシワニキット」と連動するPowerPointを作成した。画面には生徒が好きなキャラクターの画像を配置し、キャラクターに触れるとカシワニキットを通してハンディ扇風機が動き、吊るしたスズランテープが動くようにした。iPad以外は生徒の手が届かない範囲に設置する。 教員がiPadを持ち、生徒の前に提示する。生徒はiPadを掴んで引き寄せようとするので、取られないよう注意しつつ、生徒の手を画面に触れるよう誘導する。繰り返し行うことで「画面に触れる→スズランテープがゆれる」の因果関係を意識できるよう指導する。 PowerPointには慣れていることがあり、自由度の高い編集が可能であると感じた。またテンプレート(音声設定済み)を作っておき、画像の変更で自由に作れるようにすれば、より汎用性が高いと思われた。 生徒はまずiPadに興味を持つ(iPadを口に入れたい)という思いが強かった。そのため注目はキャラクターよりも「iPad」にあったように見られた。後にスイッチコントロールでジェリービーンズスイッチを導入した際は、画面の変化に注目する様子が見られたことから、画面上のものを触らせるよりも、具体物を触らせることが、まずは有効ではないかと考えられた。 (佐藤裕理)

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プログラミング教材には、パソコンでプログラミングした結果を外部機器に出力できるものがあります。次に紹介する「カシワニキット」は、パソコンから音を出力しスイッチをONするものです。PowerPointから「カシワニキット」へ音を出力させ、「カ